消費税を経費計上する時期。税込経理方式の場合・税抜経理方式の場合

ポイント:原則は申告書を提出した日の経費となる。ただし未払計上した場合には計上日の経費にすることも可。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

消費税の課税事業者となっている法人や個人事業主は、課税期間(法人の場合は事業年度、個人の場合は1~12月)終了後、売上とともに「預かった消費税」から仕入や経費とともに「支払った消費税」を差し引いて納付すべき消費税額を計算します。

計算した消費税は、法人であれば事業年度終了後2ヵ月以内に、個人事業主であれば3月31日までに納付することになりますが、この消費税はいつの時点で経費になるのでしょうか?

税込経理方式を採用している場合

原則

納付すべき消費税は、その消費税の申告書を提出した日に経費として計上するのが原則です。

「預かった消費税」よりも「支払った消費税」の方が多く、消費税が還付される場合にも、申告書を提出した日の収入として計上します。

決算時

 処理なし

申告書提出時(納付時)

(借)租税公課 ××× (貸)現預金 ×××

 

特例

納付すべき消費税又は還付される消費税を決算(確定申告)において『未払金』又は『未収入金』として計上した場合には、計上した日の経費又は収入となります。

決算時

(借)租税公課 ××× (貸)未払金 ×××

 

申告書提出時(納付時)

(借)未払金 ××× (貸)現預金 ×××

 

税抜経理方式を採用している場合

基本的には経費も収入も発生しない

税抜経理方式の場合、預かった消費税は『仮受消費税』として、支払った消費税は『仮払消費税』として処理しており、『仮受消費税』から『仮払消費税』を控除した差額が納付すべき消費税又は還付される消費税となります。

したがって、消費税が損益に影響を及ぼすことはありません。

決算時

(借)仮受消費税 ××× (貸)仮払消費税 ×××
    (貸)未払金 ×××

 

申告書提出時(納付時)

(借)未払金 ××× (貸)現預金 ×××

 

なお端数処理の関係で、『仮受消費税』から『仮払消費税』を控除した金額と納付消費税(還付消費税)に数円~数千円程度の差額が生じることがありますが、これはその課税期間を含む年度の経費(収入)となります。

簡易課税を選択している場合

簡易課税制度を適用している場合でも、税抜経理方式を採用することがまれにあります。

簡易課税の場合、売上にかかる消費税から、その消費税に対し業種ごとのみなし仕入率を乗じて計算した金額を控除して、納付すべき消費税額を計算します。

そのため、『仮受消費税』から『仮払消費税』を控除した金額と納付すべき消費税との間に差額が生じます。

この差額については、その課税期間を含む年度の経費(収入)となります。

控除対象外消費税額等が生じる場合

課税売上高が5億円超の場合または課税売上割合(総売上のうち消費税の課税対象となる売上の占める割合)が95%未満の場合、『仮払消費税』の全額を『仮受消費税』から控除することはできません。

一部控除できなかった仮払消費税(控除対象外消費税額等)については、その課税期間を含む年度の経費となります。

ただし、控除対象外消費税額等のうち資産の購入に係るものについては全額をその年度の経費にできない場合もありますので注意が必要です。

⇒ 国税庁HP 『控除できなかった消費税額等(控除対象外消費税額等)の処理』


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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