2019年度税制改正大綱を読む・その③。その他の所得税・住民税の改正

こんにちは。税理士の関田です。

2019年度(平成31年度)税制改正大綱の重要項目解説、3回目は既にご紹介した「住宅ローン減税の拡充」「相続した空き家の譲渡特例の改正」以外で気になった個人所得課税に関する改正の概要をご紹介します。

NISA・ジュニアNISAの年齢要件の見直し

2022年4月1日より成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることに伴い、現行では20歳以上とされているNISA口座(非課税口座)を開設できる年齢要件が「その年1月1日において18歳以上」に引き下げられます。

また、現行では20歳未満とされているジュニアNISA口座を開設できる年齢要件についても「その年1月1日において18歳未満」に引き下げられます。

この改正は、2023年(平成35年)1月1日以後に開設される口座について適用されます。

個人が年末に保有する仮想通貨の評価方法

仮想通貨を保有する個人が雑所得等の金額を計算する際の基礎となる、期末において保有する仮想通貨の価額は、

  • 移動平均法
  • 総平均法

のいずれかにより算出した取得価額をもって評価します。

源泉徴収票等の確定申告書への添付が不要に

これまで確定申告書への添付が必要だった以下の書類について、2019年(平成31年)4月1日以後に提出する確定申告書への添付は不要となります。

  • 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
  • 上場株式配当等の支払通知書
  • 特定口座年間取引報告書

…など

ふるさと納税の住民税特例控除の見直し

ふるさと納税は、住民税の寄附金税額控除(特例控除)が適用されることにより実質的な自己負担2,000円で自治体へ寄附を行うことができる制度であり、多くの自治体では返礼品がもらえることから人気を博しています。

しかしながら、近年は各自治体の返礼品競争の過熱(高額な返礼品、地場産品以外の返礼品)が問題視されており、今回の改正では、総務大臣の定める基準に適合しない自治体についてはふるさと納税(特例控除)の対象から外れることされました。

<総務大臣の定める基準>

① 寄附金の募集を適正に実施すること

② 返礼品の返礼割合を3割以下とし、かつ、返礼品を地場産品とすること

この改正は、2019年(平成31年)6月1日以後に支出された寄附金について適用されます。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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