ひっそりと終了を迎える、キャッシュレス・ポイント還元事業。
こんにちは。税理士の関田です。
コロナ騒動の影響でもはや遠い過去の記憶になりつつありますが、2019年10月1日、消費税が8%から10%に増税されました。
これに伴い、当面の負担感を少しでも和らげようと(ついでにキャッシュレス化も推し進めようと)導入されたのが、キャッシュレス・ポイント還元事業。
もう間もなく終了ということで、備忘録の意味も込めて振り返っておきます。
予定通り2020年6月30日で終了
正直、今年の初め頃までは「どうせ延長するんでしょ?」くらいに思っていました(多少還元率を下げるとかして)。
消費増税の度重なる延期の記憶が残っていたからかもしれません。
ですが、終了時期が近づいてきても、お上からは何らアナウンスなし(予定通り終了するわけだから当たり前ですけど)。
GW明け頃には、「これは本当に6月末で終了するんだな」という感じになってきました。
コロナ禍でそれどころではない空気もある(国も世間も)とはいえ、少し拍子抜けです。
キャッシュレス決済は本当に浸透したのか?
もっとも、延長機運があまり盛り上がらなかったのは結局のところ、キャッシュレス決済が期待されたほど浸透しなかった(だから終了しても多くの人は何とも思わない)からなのかもしれません。
相変わらず多いですよね、レジでの現金払い。
かくいう私自身、キャッシュレス決済も一部使ってはいるものの、現金も常に持ち歩いていますし、現金決済の「いくら使ったか身に染みる」感が嫌いではありません。
だいたい、スマホ決済するつもりでお店に入る時でも、何となく不安になり(うまく決済できなかったらどうしよう?みたいな)、つい財布も一緒に持って行ったりしてしまうくらいですからね。
近いうちに、この9か月間でキャッシュレス化がどの程度進んだのかが総括されると思いますが、おそらく「ある程度は進んだが、目標には遠く及ばず」みたいな結論になることが予想されます。
キャッシュレス還元終了で経理が少し楽になる
税理士業という観点からお話しすると、キャッシュレス還元がらみの会計処理(消費税の課税事業者の場合)は本当に面倒でした。
たとえば、コンビニで軽減税率対象商品と対象外商品をキャッシュレス決済で購入すると、2%のポイントが即時充当(その場でマイナス)されるため、
- 〇〇費(軽減8%)
- 〇〇費(10%)
- 雑収入(対象外)
という3つの処理が必要となるわけです。
また、1ヵ月分のキャッシュレス還元額が請求額から差し引かれるクレジットカードの場合、会計ソフトと預金口座・クレジットカードを自動連携させていても、カード引落時には手入力で「雑収入」を追加計上しなければなりません(これを忘れると、カード会社への「未払金」が消しきれずに微妙な残高が残ってしまいます)。
キャッシュレス還元が終了すれば、このような面倒な会計処理からは少し解放されることになります(ついでに軽減税率もなくなれば助かるんですけど)。
まとめ
というわけで、泣いても笑っても、残すところ今日を含めてあと2日となったキャッシュレス・ポイント還元事業。
すでに駆け込み消費が始まっているようですが、”不要不急の”買い物になっていないかどうか、購入前に一度冷静になって考えましょう。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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