コロナ禍での医療費控除。マスク代やPCR検査代は控除対象になる?
ポイント:自由診療の検査代(陰性)、マスク代、消毒液代は医療費控除の対象とならない。ただし個人事業主の場合、事業に必要なものであれば必要経費になる。
こんにちは。税理士の関田です。
新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、軽症者を中心に医療機関での受診を控える動きが広がっています。
2020年分の確定申告では、従来型の医療費控除の適用が減少し、市販薬購入によるセルフメディケーション税制の適用が増えるのかもしれません。
一方、国民はコロナ関連で多くの出費を強いられています。
一時は異常なまでに高騰したマスク代や除菌グッズ代、最近は受け易くなってきたPCR検査代などなど。
これらのコロナ関連費用うち、医療費控除の対象となるものはあるのでしょうか?
PCR検査・抗原検査・抗体検査代
医師等の判断による検査
新型コロナウイルスに関するPCR検査・抗原検査・抗体検査の費用については、医師等の判断により受けた場合には医療費控除の対象となります。
もっとも、医師等の判断による保険適用の検査の場合、公費負担により検査代自体は無料になるのが一般的ですが、それ以外に発生した初診料なども医療費控除の対象です。
自己の判断による検査
一方、感染の有無を確認するために自費診療で受けたPCR検査等の費用については、原則として医療費控除の対象となりません。
ただし、検査の結果「陽性」が判明し、引き続き治療を行った場合には、PCR検査費用も医療費控除の対象となります。
このあたりは、健康診断や人間ドックの費用と同様の考え方です。
マスク購入代
新型コロナウイルス感染症を予防するためのマスクの購入費用については、医療費控除の対象となりません。
医療費控除の対象となるのは、あくまで病気の”治療”等を目的とした費用だけであり、”予防”目的の費用は医療費に含まれないためです。
なお、個人事業主が事業に必要なものとして購入したマスクであれば、事業所得の必要経費として計上することはできます(接客業など)。
消毒液・ハンドソープ購入代
新型コロナウイルス感染症を予防するための消毒液、除菌スプレー、ハンドソープなども、医療費控除の対象とはなりません。
マスク代と同様、個人事業主が事業に必要なものとして購入した場合には、事業所得の必要経費として計上することはできます。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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