国民健康保険料と国民健康保険税。自治体によって名称が違う理由

ポイント:市区町村が加入世帯から費用を「保険料」として徴収するか「税」として徴収するか、だけの違いであり、保険給付の内容は同じ。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

主に自営業者や75歳未満の年金受給者が加入している国民健康保険。

市区町村が保険者となって保険給付を行いますが、加入世帯から徴収する費用の呼び名が自治体によって微妙に違うのをご存知でしょうか?

仕事柄、確定申告の時期になるとお客様から国保の通知書を見せてもらうことがあるのですが、「国民健康保険料」と記載されている自治体もあれば「国民健康保険税」と記載されている自治体もあり、以前からちょっと気になっていました。

そこで、「保険料」と「保険税」の違いについて、また自治体によって違う理由について調べてみました。

「国民健康保険料」と「国民健康保険税」の違い

国民健康保険料と国民健康保険税の違いは、保険者(市区町村)が世帯主から費用を徴収する際の根拠法令の違いによるものです。

・国民健康保険 … 国民健康保険法

・国民健康保険 … 地方税法

国民健康保険税は、地方税法を根拠に「税」という形式で徴収するものではありますが、その実質はあくまで「保険料」です。

単に徴収方式が違うだけで、どちらも保険給付の内容は変わりません。

なぜ自治体によって違うのか

「保険料方式」と「保険税方式」のどちらを採用するかは市区町村の任意とされていますが、そもそもなぜ2つの方式が存在しているのでしょうか?

初めは「国民健康保険料」しかなかったが…

そもそも、国民健康保険が創設された当初はすべての自治体で「国民健康保険料」を徴収していましたが、保険料の滞納等により財政が悪化する自治体が次第に増えていきました。

そこで、より義務感の強い「税」にすることで徴収率をアップさせようと、昭和26年から新たに地方税として「国民健康保険税」が設けられたのです。

単に名称のインパクトがあるだけでなく、

  • 徴収権の消滅時効 … 保険料は2年、保険税は5年
  • 差押えの優先順位 … 保険料は国税・地方税の、保険税は国税・地方税と同順位

などの違いがあり、自治体にとっては「保険税方式」の方が有利となります。

保険税方式を採用する自治体の方が多い

上記の理由から、現在は多くの自治体が「保険税方式」を採用していますが、東京23区などの大都市圏を中心に「保険料方式」を採用している自治体も存在します。

ちなみに、埼玉県内では全市町村が「保険税方式」を採用しています。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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