住宅ローン控除を受け忘れたら?サラリーマンと個人事業主の対処法

ポイント:確定申告していない場合には5年以内であれば期限後申告により所得税の還付を受けられる。確定申告書を提出済みの場合には原則として更正の請求は不可。


こんにちは。税理士の関田です。

先日発表された税制改正大綱で消費増税後の控除額の拡充が発表された住宅ローン控除。

入居初年度は確定申告が必須、2年目以降はサラリーマンであれば年末調整で受けることが可能ですが、うっかり控除を受け忘れている方もたまにいらっしゃいます。

万が一住宅ローン控除を受け忘れてしまった場合の対処法を、サラリーマンの場合と個人事業主の場合に分けて解説します。

サラリーマン(給与所得者)の場合

初年度の申告を忘れた場合

もし入居初年度の確定申告を忘れていた場合には、入居年の翌年1月1日から5年以内であれば還付申告書(期限後申告)を提出して所得税の還付を受けることができます。

ただし、ローン控除額が所得税から引ききれず翌年の住民税からも控除可能な場合、翌年の住民税の納税通知書が送達される時までに申告が間に合わなければ住民税からの控除は受けられませんのでご注意ください。

2年目以降の年末調整で申告を忘れた場合

入居2年目以降で会社に住宅ローン控除の書類を出し忘れた場合には、会社が年末調整のやり直しを行ってくれるようであれば(遅くとも翌年1月末までに)再調整をお願いしましょう。

もし再調整に間に合わなかった場合には、翌年1月1日から5年以内であれば還付申告書(期限後申告)を提出して所得税の還付を受けることができます。

ただし、住民税からも控除を受けられる場合ついては上記の取扱いと同様です。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は毎年確定申告により住宅ローン控除を受けることになりますが、もし住宅ローン控除を適用せずに確定申告書を提出し、その後適用を忘れたことに気づいた場合、基本的には更正の請求による所得税の還付を受けることはできません。

というのも、更正の請求は本来、所得や税額の計算に誤りがあった場合などの救済措置として認められているものであり、住宅ローン控除の適用を忘れたことは「計算の誤り」とはいえないからです。

しかしながら、住宅ローン控除を適用しなかったことについてやむを得ない事情があると認められる場合には適用を受けられるケースもありますので、諦めずにまずは税務署へ相談してみることをお勧めいたします。

なお、サラリーマンであっても医療費控除等を受けるために一度確定申告書を提出してしまった場合には同様の取扱いとなりますのでご注意ください。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

当事務所のサービスメニュー・料金について

当事務所では、法人・個人事業主の「税務顧問業務」のほか、相続税申告・贈与税申告・譲渡所得税申告といった「資産税業務」を専門に行っております。
初回のご面談は無料です(単発の税務相談・コンサルティングを除く)。
オンラインでのビデオ面談もお受けしております。