住宅ローンの繰上返済方法・その②。コツコツ返済型 vs. まとめて返済型

ポイント:「コツコツ返済型」の方が返済総額の削減効果は大きいが、「半年ごと」と「1年ごと」程度では大きな差は生じないので、焦らず余裕をもって返済しよう。


こんにちは。税理士の関田です。

前回のブログでは住宅ローンの繰上返済のタイプについて、返済期間短縮型と返済額軽減型、それぞれの効果をご説明しました。

⇒ 前回ブログ 『住宅ローンの繰上返済方法・その①。返済期間短縮型 vs. 返済額軽減型』

今回は、繰上返済の頻度による返済総額の削減効果の違いについて見ていきます。

コツコツ返すかまとめて返すか

最近はどの金融機関もインターネット上で簡単に繰上返済手続きができます。

ネットでの一部繰上返済については多くの銀行が手数料0円最低返済額も1円~1万円程度とハードルが低くなっており、マメに繰上返済を行っている方もいらっしゃると思います。

少しでもお金が貯まったら繰上返済する「コツコツ返済型」と、ある程度お金が貯まってから一気に返済する「まとめて返済型」

「コツコツ返済型」の方が元金の減りが早い分、返済総額の削減効果が大きいことが予測されますが、果たしてどうでしょう。

繰上返済の頻度による返済総額の削減効果の違い

返済総額にどのくらいの差が生じるのか、以下の条件で試算してみます。

・借入金額:3,000万円

・金利:1%(全期間固定)

・返済期間 30年

・返済方式:元利均等返済

・繰上返済タイプ:返済期間短縮型

・繰上返済額:当初から10年間で総額500万円

返済頻度 返済期間 毎月返済額 返済総額
繰上返済なし(当初) 30年 96,491円 34,736,908円
半年ごとに25万円ずつ返済 30年→24年8ヵ月 96,491円 33,499,177円
1年ごとに50万円ずつ返済 30年→24年8ヵ月 96,491円 33,514,354円
10年後に500万円を返済 30年→24年11ヵ月 96,491円 33,783,534円

返済総額ですが、半年ごとに返済すると当初より1,237,731円、1年ごとに返済すると当初より1,222,554円、10年後にまとめて返済すると当初より953,374円、それぞれ削減されます。

意外なことに「半年ごと」と「1年ごと」では15,177円の差しかありません。

「半年ごと」と「10年後まとめて」では284,357円の差が生じます。

まとめ

現在の低金利では、半年ごとでも1年ごとでも、効果に大きな違いはないことがわかりました。

繰上返済はあくまで余裕資金で行うべきものです。

焦って繰上返済した結果、家計が回らなくなっては本末転倒ですので、金額やタイミングを見極めながら上手に返済していきましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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