国税庁が2017年(平成29年)の相続税の申告・税務調査の結果を発表。
こんにちは。税理士の関田です。
一昨日(12月12日)、国税庁より平成29年分の相続税の申告状況並びに平成29事務年度の相続税の税務調査状況についての発表がありました。
平成29年分の相続税の申告状況
2017年(平成29年)1月から12月までに亡くなられた方に関する相続税の申告状況については以下のページでご確認いただけます。
平成29年中に亡くなられた方(被相続人)のうち相続税の課税対象となった方の割合は8.3%で、平成28年(8.1%)よりわずかに増加しました。
また、相続税の申告書が提出された被相続人1人当たりの平均相続税額も1,807万円と、平成28年(1,764万円)よりも増加しています。
平成29事務年度の相続税の税務調査の状況
2017年(平成29年)7月から2018年(平成30年)6月までに実施された相続税の税務調査状況については以下のページでご確認いただけます。
⇒ 国税庁HP 『平成29事務年度における相続税の調査の状況について』
8割以上で申告漏れが発覚
実地調査が行われた件数(12,576件)のうち申告漏れがあった件数の割合は83.7%となっており、実地調査が行われるとかなりの確率で何かしらの申告漏れが見つかることがわかります。
申告漏れとなっていた相続財産の内訳としては現金・預貯金が圧倒的に多く、名義預金(家族名義にしていた預貯金)やタンス預金が見つかるケースが多いものと思われます。
「簡易な接触」が大幅に増加
また、実地調査には至らない「簡易な接触」の件数が大幅に増加しています。
「簡易な接触」とは、相続財産の規模がさほど大きくない納税者に対して文書や電話による連絡又は税務署への来署依頼等を行い、申告漏れがある納税者に対しては修正申告を、また無申告の納税者に対しては期限後申告を促す取り組みのことです。
平成27年の相続税の大改正により、相続税の申告対象者は大幅に増加しました。
税務署としては、実地調査に充てられる時間やマンパワーが限られているなか、効率的な調査を行うため今後もこのような形での納税者への接触を増やしていくものと思われます。
「ウチはそんなに財産があるわけじゃないから、申告しなくてもバレないだろう」と高を括っていると、ある日突然、税務署からお尋ねが来るかもしれません。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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