改善求む。税理士変更時のeLTAX暗証番号問題について
こんにちは。税理士の関田です。
法人の電子申告にあたっては、国税(法人税や消費税)は「e-Tax」、地方税(法人事業税や住民税)は「eLTAX」という別々のシステムを利用しなければなりません。
もうこの時点ですでに面倒なのですが、特にeLTAXの方は融通が利かなくてイラっとさせられることが多々。
基本0時~8時30分までは稼働していない(←朝型人間には困る)とか、半角文字が使えないことがある(←全角数字の気持ち悪さ)とか色々不満はありますが、特に税理士変更で暗証番号が分からないときは困ったことになります。
電子申告に必要なID・暗証番号とは?
法人の電子申告にあたっては、国税・地方税ともにIDと暗証番号が必要です。
- 国税(e-Tax)→ 利用者識別番号(ID) + 暗証番号
- 地方税(eLTAX)→ 利用者ID + 暗証番号
いや厳密にいえば、単に申告書や届出書を出すだけならIDだけで足ります。
しかし、過去に提出した申告書・届出書や中間納税額などを確認するには、ログインするための暗証番号が必須なのです。
一般的に、顧問税理士がいる場合は電子申告の利用開始届も税理士が行いますので、これらの情報も税理士が管理しているケースが多いのですが、顧問税理士が変更となる際に前任税理士がお客様に(=後任税理士に)暗証番号を教えてくれないことがあります。
暗証番号は開始届を出した税理士が任意で設定しているため、セキュリティの都合上教えたくないというのもわかりますが、単に後任税理士への嫌がらせというケースもあるでしょう(もし私が前任税理士なら、いったん適当でシンプルな番号に変更してからお客様に伝えますけどね)。
e-Taxの暗証番号は簡単に再発行できる
e-Taxの場合は、もし暗証番号が分からなくても再発行は比較的容易です。
利用者識別番号(ID)は過去の申告書の受信通知などに記載されていますので、これをもとに暗証番号の再発行手続きをe-Taxで行います。
すると1週間程度で仮の暗証番号がお客様宛てに郵送されますので、それを入手して仮番号でログインしてから新たな暗証番号を設定すれば問題解決です。
eLTAXの暗証番号が分からなければIDの取り直しも
ところが、eLTAXとなるとそうはいきません。
もちろんeLTAXでも暗証番号の再設定はできますが、そのためにはeLTAXに登録されているメールアドレスが必要となります。
再設定の申請を行うと登録アドレス宛に案内メールが届き、そのメールに記載されたURLをクリックして再設定手続きに進む、という流れです。
まあ一般的なWEBサービスの暗証番号再設定ではよくあるパターンですが、それはあくまで”本人が番号を忘れた”という前提でのお話。
別人(後任税理士)が暗証番号を再設定したいと思っても、登録メールアドレスが前任税理士のものであれば手続きを進められません。
当然ながら、ログインできなければ登録アドレスの変更もできないわけで。
じゃあどうしたらいいのか?
結論はなんと、新規の利用開始届を出して利用者IDから取り直せ、と。
手続きが面倒なのはもちろんですが、ID自体が変わるということは過去の申告・申請データが新IDに紐づけられることはありません(たぶん)。
同じような目に遭って困っている人、たくさんいると思うんですけどね。。
まとめ
一番の問題は前任税理士のモラル(暗証番号をお客様に教えないってどういうこと??)ということになるのでしょうけど、やはりeLTAXにも問題ありかと。
e-Taxではできるのだから、同じようにIDのみで暗証番号の再発行・再設定ができるようにしてもらえませんかね?
早急な改善を望みます。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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