契約書のコピーは印紙不要?契約書を1通だけ作成する印紙税節約術

ポイント:署名押印後の契約書をコピーしただけであれば印紙は不要。同族間・親族間の契約では契約書の作成は1通だけにして印紙税を半分に節約できる。


こんにちは。税理士の関田です。

契約書はその契約当事者の数だけ作成するのが基本ですが、印紙税がかかる契約書(課税文書)であればそのすべてに収入印紙を貼付する必要があります。

とはいえ、不動産売買など高額な契約ともなると印紙税もバカになりません。

そこで最近では、節税のため契約書を1通しか作成しないケースも増えてきているようです。

この場合、2者間の取引であれば一方が原本を、他方がコピー(写し)を保管することになりますが、コピーには本当に印紙を貼らなくても大丈夫なのでしょうか?

契約書のコピーは基本的に印紙不要

単に署名押印後の契約書原本をコピーしただけであれば印紙は不要です。

たとえば、契約書の末尾に

「本契約の成立を証するため、本書1通を作成し、甲がこれを所持する。」

と記載されている場合、甲以外の者が保管する契約書コピーは基本的に課税文書となりません。

コピーであっても印紙が必要となる場合

ただし、以下のようなケースではコピーであっても課税文書として印紙が必要となります。

契約当事者の「双方」または「コピー所持者以外の一方」の署名または押印があるもの

コピー後、当事者双方の署名または押印がされていればもちろん印紙が必要です。

また、コピー後、コピー所持者以外の一方の署名または押印がされていても印紙が必要です。

ただし、コピー後、コピー所持者のみが署名または押印しただけであれば印紙は不要となります。

もっとも、普通は双方が署名押印した後にコピーしますので、上記はいずれもレアケースでしょう。

原本(正本)と相違ないことの証明のあるもの

署名押印後の契約書をコピーしたものであっても、正本等と相違ないこと、または写し、副本、謄本等であることの契約当事者の証明(正本等との割印を含む)がある場合には、契約の成立を証するために作成された文書であることから印紙が必要となります。

ただし、コピー所持者のみが証明しているものであれば印紙は不要です。

まとめ

同族間・親族間の取引であれば、わざわざ契約書を2通作る理由もないでしょう。

原本は1通のみとし、印紙税を半分に節約しましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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