相続税申告書への記名押印。自署・実印は不要?未成年者の場合は?

ポイント:氏名は「署名」「記名」のどちらでも、また押印は「実印」「認印」のどちらでも可。なお、意思能力のない幼児が相続人の場合は親権者が押印を行う。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

多くの国税・地方税が電子申告可能となっている中、相続税申告については未だ電子申告に対応していません(2019年6月現在)。

2019年10月から相続税申告書についてもe-Taxで送信できるよう準備が進められていますが、税理士が代理申告する場合はともかく、一般納税者が自分で申告する場合には当面、紙ベースでの提出が主流のままかと思われます。

さて、相続税申告書には財産を取得した相続人の「氏名・押印」欄がありますが、ここには各相続人が自ら署名する必要があるのでしょうか?

また、押印については実印と認印、どちらを押すべきでしょうか?

相続人が未成年者の場合の取扱いについてもあわせて解説します。

氏名について

まずは氏名について、署名すべきか、それとも記名でよいかという問題があります。

署名とは

署名とは、相続人本人が手書きで自分の名前を書くことをいいます。

記名とは

これに対し、記名とは、

  • パソコンによる印刷
  • ゴム印の押印
  • 他人による代筆

など、本人の手書き以外の方法による氏名の記載をいいます。

結論:どちらでもOK

結論としては「署名」「記名」のどちらでも構いません

ただし、後にトラブルになる可能性(『勝手に申告書を出された』など…)も考え、あえて各相続人に自署してもらうというのも一考かと思います。

押印について

実印・認印どちらでもOK

次に、印鑑について実印を押す必要があるかどうかですが、こちらも「実印」「認印」のどちらでも構いません

実務では、相続税申告書の押印と遺産分割協議書の署名・押印(実印)を同じタイミングで行うことも多いため、せっかくなので敢えて実印を押してもらってもよいでしょう(こちらも後のトラブル防止という意味も込めて)。

相続人が未成年者の場合は?

遺産分割協議では特別代理人を選任するが…

相続人の中に未成年者がいる場合、遺産分割においては「特別代理人」を選任して分割協議を行い、遺産分割協議書にも特別代理人が署名押印します。

では、相続税申告書についても特別代理人が署名押印する必要があるのでしょうか?

相続税申告書には特別代理人の署名押印は不要

特別代理人はあくまで、遺産分割において未成年者の権利を守る権限を有するにすぎません。

また、国税通則法・相続税法いずれにおいても、未成年者に関する相続税申告手続きについては何ら規定されていません。

したがって、未成年者が提出する相続税申告書については、未成年者の記名(または署名)と押印があれば足りることになります。

幼児の場合は親権者が代理

ただし、明らかに意思能力のない幼児については自ら申告・納税を行うことは困難ですので、法定代理人である親権者が代理で申告・納税を行います。

この場合、相続税申告書には未成年者の氏名だけでなく親権者の氏名も記載し、押印も親権者が行うことになります。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

当事務所のサービスメニュー・料金について

当事務所では、法人・個人の「税務顧問業務」のほか、相続税・贈与税・譲渡所得税の申告といった「資産税業務」を専門に行っております。
初回のご面談・報酬のお見積りは無料です。
また、単発の税務相談・コンサルティングもお受けしております。