「お尋ね」が来てからでは遅い?相続税申告の要否は早めに確認しよう

こんにちは。税理士の関田です。

ある程度の財産をお持ちの方が亡くなると、所轄税務署から相続税の申告に関する案内文書が送られてきます。

いわゆる「お尋ね」というものです。

これをきっかけに準備を始める方もいますが、ひょっとすると申告が必要になるかも・・・という場合は「お尋ね」が届く前にきちんと申告要否を確認しておくことをお勧めします。

相続についての「お尋ね」とは?

市区町村役場へ死亡届が提出されると、その情報は税務署に伝わります。

すると税務署は、被相続人の所有する不動産や過去の所得状況などからおおよその財産額を推測し、明らかに相続税申告が必要な場合には申告書類を、申告が必要かどうか微妙なケースでは「お尋ね」を相続人へ送付します。

つまり「お尋ね」が届いたからといって必ずしも申告が必要というわけではなく、検討した結果、

  • 遺産総額が基礎控除以下の場合 ⇒ 「お尋ね」の回答を提出(申告は不要)
  • 遺産総額が基礎控除を超える場合 ⇒ 相続税申告書を提出(「お尋ね」の回答は不要)

という対応をとることになります。

基礎控除以下の場合、「お尋ね」への回答は義務ではありませんが、税務署から疑念をもたれないよう回答しておくのが無難でしょう。

⇒ 国税庁HP『相続についてのお尋ね(相続税申告の簡易判定シート)』

申告が必要な場合、「お尋ね」が来てからでは手遅れ?

問題はこの「お尋ね」が届く時期ですが、ここ最近は相続開始から7~8ヵ月後というのが多い印象。

はっきり言って、遅いです。

相続税の申告期限は相続開始から10ヵ月ですから、「お尋ね」をきっかけに申告義務があることが判明しても申告準備期間は2~3ヵ月しかないということになります。

通常の相続税申告では、資料収集~分析、財産評価、遺産分割、申告書作成、申告書提出~納税まで、税理士に依頼しても3~6ヵ月程度かかるのが一般的です。

「お尋ね」が届いてからすぐに準備を始めたとしても、かなりタイトなスケジュールになるのは間違いありません。

国税庁HPで相続税の申告要否を簡易判定できる

相続税の申告が必要かどうか不安な方は、「お尋ね」が届く前に国税庁の『相続税の申告要否判定コーナー』で申告の要否を確認しておいた方が良いでしょう。

結果、申告が不要であればこちらのコーナーで作成した書類を「お尋ね」の回答に使うこともできます。

もし申告が必要となれば、すぐに資料収集に取りかかりましょう。

まとめ

相続税申告が必要となる場合、多くの方は税理士に依頼することになると思いますが、依頼日から申告期限までの日数によっては”特急料金”が追加されたり、依頼を断られたりするケースもあります。

国税庁HPの判定だけでは不安が残る(そもそも相続財産の範囲が分からないなど)という方は、早めに税理士へ相談しておきましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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