勘定科目内訳書が改定。新様式は平成31年4月以降終了事業年度から
ポイント:記載件数が多い科目については上位100件まで記載すればOKに。また2019年4月以降はCSV形式での提出も認められる。
こんにちは。税理士の関田です。
資本金1億円超の大法人を対象とした、2020年4月1日以降開始事業年度からの電子申告義務化を見据え、法人税申告書に添付する勘定科目内訳書の記載事項が簡素化されることとなりました。
改定後の勘定科目内訳書は、大法人だけでなく中小法人にも(電子申告・書面申告を問わず)適用され、2019年(平成31年)4月以降終了事業年度の申告から使用可能となります。
今回は、勘定科目内訳書の具体的な改定内容について解説します。
目次
記載件数100件超の勘定科目の簡素化
上位100件のみを記載
記載件数が多くなる傾向にある以下の内訳書については、金額の多い上位100件のみ(⑫土地の売上高等は上位20件のみ)を記載することが認められます。
- ①預貯金等
- ②受取手形
- ③売掛金(未収入金)
- ④仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息
- ⑤棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)
- ⑥有価証券
- ⑦固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)
- ⑧支払手形
- ⑨買掛金(未払金・未払費用)
- ⑩仮受金(前受金・預り金)
- ⑪借入金及び支払利子
- ⑫土地の売上高等
- ⑮地代家賃等、工業所有権等の使用料
- ⑯雑益、雑損失等
支店・事業所ごとの合計額を記載
記載単位を取引先とする以下の内訳書について、自社の本店で各支店・事業所の取引先まで把握しなくても記載できるよう、取引先は記載せず、支店・事業所ごとの期末残高の合計額を記載することも認められます(「上位100件のみ記載」との選択)。
- ②受取手形
- ③売掛金(未収入金)
- ④仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息
- ⑧支払手形
- ⑨買掛金(未払金・未払費用)
- ⑩仮受金(前受金・預り金)
- ⑪借入金及び支払利子
その他記載事項の変更・省略
④仮払金(前渡金)、⑩仮受金(前受金・預り金)
「取引の内容」欄が「摘要」欄に変更され、自由記載になりました。
④貸付金及び受取利息・⑪借入金及び支払利子
「貸付理由」・「借入理由」欄が削除されました。
⑤棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)
「期末棚卸の方法」欄が削除されました。
⑬売上高等の事業所別
「使用建物の延床面積」欄が削除されました。
⑯雑益、雑損失等
土地の売却損益を「⑦固定資産」に記入している場合には、記載を省略できることになりました。
CSV形式での提出も可能に
勘定科目内訳書については、2019年(平成31年)4月以後の申告からCSV形式での提出も可能となります。
国税庁が提供予定のExcelフォームを利用して内訳書を作成し、これをCSV形式に変換したものを電子申告データに添付する方式になるとのことで、標準フォームはこの8月にも公表される予定です。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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