ID・パスワード方式の届出方法。利用者識別番号を取得済み場合は?

ポイント:「ID・パスワード方式」による電子申告を行う場合には、既に利用者識別番号(ID)を保有している場合でも税務署で届出を行う必要がある。


こんにちは。税理士の関田です。

2018年分(平成30年分)の確定申告から、e-Tax用の電子証明書(マイナンバーカード)がなくても、IDとパスワードにより自宅等で電子申告を行うことが可能となりました。

⇒ 過去ブログ 『電子申告が2019年1月から簡単に。スマホでも確定申告できる!』

ただし、「ID・パスワード方式」による電子申告を行うためには、初年度のみ税務署へ出向き、税務署職員と対面で本人確認を行ったうえでIDとパスワードを発行してもらう必要があります。

では、過去に税務署で電子申告を行った経験があるなど、既に16桁の利用者識別番号(ID)と暗証番号(パスワード)を取得している場合には、税務署へ行かなくても「ID・パスワード方式」による申告を行うことができるのでしょうか?

利用者識別番号を持っていても一度税務署へ行く必要がある

必ず税務署職員による本人確認が必要

「ID・パスワード方式」におけるIDとは利用者識別番号パスワードとは暗証番号のことを指しますが、既に利用者識別番号・暗証番号を保有しているからといって、そのまま「ID・パスワード方式」による電子申告を行うことができるわけではありません。

まずは一度、税務署へ行って本人確認を受ける必要があります。

ID・パスワード方式の届出完了通知を受け取る

税務署職員による本人確認等を行った後、「ID・パスワード方式の届出完了通知」が発行されます。

届出完了により初めて「ID・パスワード方式」による電子申告が可能となります。

これまで電子申告を行ったことがない方については、このとき初めて利用者識別番号(ID)と暗証番号(パスワード)が発行されるわけですが、既に利用者識別番号・暗証番号を保有している方についてはこれまでの番号をそのまま使用します。

つまり、

元々の利用者識別番号 → ID・パスワード方式に対応した利用者識別番号(番号は同じ)

にちょっとアップグレード(?)するイメージです。

なお、利用者識別番号(ID)は基本変わることはありませんが、暗証番号(パスワード)はいつでも変更可能です。

気付かないうちにID・パスワード方式の届出が済んでいる場合も

ちなみに、昨年税務署等の確定申告会場で電子申告を行っている場合、実は既に「ID・パスワード方式」の届出が済んでいる可能性があります。

税務署へ行く前に、まずは昨年の申告書類の中に「ID・パスワード方式の届出完了通知」が紛れていないかどうか確認してみるとよいでしょう。

実際にID・パスワード方式の届出をやってみた

仕組みは分かったものの、いまいちイメージが湧かなかったので税務署へ行って実際にやってみました(私自身ではなく家族の分ですが、もちろん本人を引き連れて)。

事前に準備したのは、

  • 運転免許証
  • 過去に取得した利用者識別番号

のみ。

川越税務署へ行き、案内人の方へ「ID・パスワード方式」の届出をしたい旨を告げると、専用のパソコンコーナーに案内されます。

PC上で住所、氏名、生年月日、職業などを入力するほか、既に利用者識別番号を取得している場合には16桁の数字を入力する画面が出てきます。

なお、暗証番号はこれまでのものを継続使用できますが、ここで変更することも可能です。

すべての入力が終わった後、職員さんへ運転免許証を提示すると、入力内容と運転免許証の記載内容が合っているかどうか、PC画面を見ながらチェックされます。

最後に、以下の「ID・パスワード方式の届出完了通知」をプリントアウトして渡されて終了。

待ち時間を除けば、手続き自体はたったの5分程度です。

わざわざ税務署まで出向くのが少し面倒ですが、マイナンバーカードを作るのもそこそこ手間はかかりますし、来年以降もマイナンバーカードなしで電子申告したい方にとってはやってみる価値があるのではないかと思います。

ただし、「ID・パスワード方式」はあくまでマイナンバーカードが普及するまでの”暫定措置”であることをお忘れなく。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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