自動車の相続税申告。評価額は販売価格?買取価格?

ポイント:相続税上、自動車は原則として中古車業者の買取価格相場やディーラーの下取査定額により評価。いずれも調べるのが難しい場合は未償却残高で評価することも。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

高齢者の運転免許問題がよく話題にのぼる昨今ですが、実際のところ、”後期高齢者”に入っているご年齢でも亡くなる少し前まではバリバリ運転していた、という方は結構いらっしゃいます。

亡くなった方が自動車を所有していた場合にはもちろん相続財産となるわけですが、さて相続税申告の際にはどのように評価したらいいのでしょうか?

自動車は「一般動産」として評価

相続税評価上、自動車は「一般動産」というカテゴリーに入ります。

「一般動産」の評価方法は以下のとおりです。

  1. 原則 … 売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価
  2. 例外 … 課税時期における新品の小売価額から償却費を控除した金額で評価

自動車の相続税評価についても、上記にあてはめて考えることになります。

原則的な評価方法

ではまず、原則的な評価の方法(売買実例価額・精通者意見価格)をご紹介しましょう。

①中古車業者の買取価格を調べる

これは、中古車業者の「買取価格」の相場をインターネット等で調べる方法です(「販売価格」ではありませんのでご注意を)。

年式、車種、走行距離などをもとに検索し、相続対象の自動車と条件の近いものが見つかれば、それを参考に評価を行います。

②ディーラーに下取査定を依頼する

ディーラーに下取査定を依頼し、その査定額を相続税評価額とする方法もあります。

気軽に依頼できるディーラーがあればお勧めの方法です。

なお、申告書にエビデンスを添付する必要がありますので、査定額は書面で出してもらいましょう(書式は何でもOKです)。

例外的な評価方法

買取相場や査定額を調べるのが難しい場合には、以下の算式により計算した金額で評価します。

課税時期における新車価額 - 償却費の額の合計額 = 評価額

「課税時期における新車価額」とは、相続発生時において同じ車を新車で購入した場合の価額のことをいいますが、比較的新しい車で実際の購入価額がわかっていれば、実務上は購入価額を使っても問題ないでしょう。

「償却費の額の合計額」は、定率法により計算した減価償却費の累計額のことで、耐用年数(普通乗用車:6年、軽自動車:4年)と経過年数(1年未満の端数は1年とする)をもとに計算します。

なお実務では、簡便的に、新車価額に『定率法未償却残額割合』を乗じて評価するのが一般的です。

⇒ 国税庁HP『定率法未償却残額表』

<具体例>

  • 新車購入価額:300万円(普通乗用車)
  • 購入日:2020年4月1日
  • 相続発生日:2021年9月30日

3,000,000円 × 0.445(耐用6年・経過2年) = 1,335,000円

まとめ

実務では買取相場や査定額を使って申告することが多いかと思いますが、相続後に自動車を手放した場合には「実際の売却価額」で評価しても差し支えありません。

ただし、売り急ぎ等の特殊な事情がないことが前提となります。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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