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税理士と印紙税・その③。税理士は「営業者」ではない?

ポイント:税理士の業務は商法に規定する商行為にあたらないため、税理士は商人ではなく、営業者に該当しない。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

個人の税理士は印紙税法上「営業者」には当たらないため、

・顧問契約書は『第7号文書(継続的取引の前提となる契約書)』には該当せず、

・領収書も『第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)』に該当しない

ことになっています。

⇒ 前々回ブログ 『税理士と印紙税・その①顧問契約書』

⇒ 前回ブログ 『税理士と印紙税・その②領収書』

税理士が「営業者」に当たらないとはどういうことでしょうか。

営業者とは

営業者=商人?

「営業者」とは何でしょうか。

国税庁HPの印紙税に関する質疑応答事例には、「営業」の定義が載っています。

⇒ 国税庁HP 『営業の意義』

これを読むと、どのような行為が「営業」に該当するのかは、商法の規定による「商人」「商行為」から考えるとされています。

そして、「商人」が営利を目的として同種の行為を反復継続する場合には「営業」に該当します。

そこで、「商人」と「商行為」の定義を詳しく見ていきます。

商人とは

商法第4条では「商人」を、

固有の商人 … 自己の名をもって商行為をすることを業とする者

擬制商人 … 商行為を行うことを業としないが、店舗その他これに類する設備によって物品の販売を業とする者などで商人とみなされる者

の2種類に分類しています。

商行為とは

商法上の「商行為」には、

絶対的商行為(商法第501条)… 行為の性質上当然に商行為となる行為

営業的商行為(商法第502条)… 営利目的で反復継続して行うことにより商行為となる行為

・附属的商行為(商法第503条)… 商人がその営業のためにする補助的な商行為

があり、これらの商行為をすることを業とするものを「商人(固有の商人)」といいます。

なぜ税理士は「商人」ではないのか

税理士業は「営業」には該当しないこととされています。

つまり、税理士は「商人」ではないし、税理士業は「商行為」ではないということです。

いやいや、税理士だって仕事の対価として報酬をもらいますし、大半の税理士は生活のために営利目的で仕事をしていますよね。

税理士業は商行為に該当しない

ここでもう一度、商法の「商行為」に関する規定に戻ります。

上記の3つの商行為のうち、『附属的商行為』はそもそも「商人」が行うことが前提となっています。

したがって、税理士業が「商行為」か否かは、税理士業が『絶対的商行為』又は『営業的商行為』に該当するかどうかがポイントになります。

まず商法501条の『絶対的商行為』は、行為自体に営利的性質があるため、誰であろうと1回でも取引すれば当然に商行為に該当する行為で、次の4つの行為に限定されています。

  1. 投機購買と実行売却(安く仕入れて高く売る行為)
  2. 投機売却と実行購買(まず売却契約を結んでから安く仕入れる行為)
  3. 取引所においてする取引(株取引など)
  4. 商業証券に関する行為(手形の振出など)

次に商法502条の『営業的商行為』は、営利目的で反復継続して行うことにより商行為となる行為で、次の13の行為に限定されています。

  1. 投機貸借(不動産賃貸、レンタル業など)
  2. 他人のためにする製造または加工
  3. 電気またはガスの供給
  4. 運送
  5. 作業または労務の請負
  6. 出版、印刷または撮影
  7. 客の来集を目的とする場屋における取引
  8. 両替その他の銀行取引
  9. 保険
  10. 寄託の引受
  11. 仲立ち又は取次ぎ
  12. 商行為の代理の引受
  13. 信託の引受

中にはよくわからないものもありますが、税理士業は上記17種類の「商行為」のいずれにも該当しないことは確かです。

税理士は商人に該当しない

今度は商法第4条の「商人」の定義に戻ります。

「商人」には『固有の商人』と『擬制商人』の2種類がありました。

まず『固有の商人』とは「商行為」をすることを業とする者のことをいいますので、「商行為」を行わない税理士は『固有の商人』には該当しません

また、物品販売業でもないことから『擬制商人』にも該当しません。

結論

したがって、税理士は「商人」ではない=「営業者」には該当しないということになります。

なお、弁護士や公認会計士、司法書士といった他の士業も、同様の理由により「営業者」には該当しません。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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