決算賞与と社会保険料。どちらも未払計上可能?

ポイント:決算賞与は未払計上できるが、決算賞与に係る社会保険料は未払計上できない。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

法人の決算対策の1つとして、従業員に対する決算賞与の支給があります。

一定の要件を満たせば、期末時点で未払でも経費にすることが可能です。

さて、賞与を支払うということは当然、社会保険料の負担も生じることになりますが、こちらも未払の経費として計上することは可能でしょうか?

決算賞与とは

決算賞与とは、会社の業績に応じて、決算の前後に従業員へ支払うボーナスのことです。

主なメリットとしては、

経費が増えるため節税になる

所得拡大促進税制(前期以前より給与支給額が一定以上増えると税額控除を受けられる特典)の適用要件を満たすよう調整できる

従業員のモチベーションアップにつながる

ということが挙げられます。

一定の要件を満たせば、期末時点で未払でも経費に計上することができます。

未払の決算賞与を経費に計上できる要件

資金繰りの都合などで、期末までに決算賞与の支給が間に合わない場合もあります。

そこで、期末時点でまだ決算賞与を支給していなくても、下記の要件をすべて満たす場合には未払の経費として計上することが可能です。

  1. 決算賞与の支給を受けるすべての従業員に対して、事業年度終了日までに支給額を通知していること
  2. 通知した金額を、通知をしたすべての従業員に対して、事業年度終了日の翌日から1ヵ月以内に支払っていること
  3. 支給額を通知した事業年度に損金経理(未払経費として計上)していること

決算賞与に対する社会保険料も未払計上できるか?

決算賞与の支給に伴い、当然社会保険料の負担も生じることになります。

そこで、決算賞与を未払計上する場合、決算賞与に係る社会保険料も未払計上できるのか、という問題が生じます。

法人税基本通達9-3-2では、社会保険料の損金算入の時期を次のように定めています。

法人が納付する次に掲げる保険料等の額のうち当該法人が負担すべき部分の金額は、当該保険料等の額の計算の対象となった月の末日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

(1)健康保険法第155条… (以下略)

上記の通達で「月の末日の属する」となっているのは、社会保険料は月末時点で在職している従業員にかかる保険料を翌月末までに納付することになっており、従業員が月の途中で退職した場合には退職月に係る社会保険料の納付義務がないためです。

つまり、社会保険料の支払債務は支給月の月末にならないと確定しないということです。

したがって、決算賞与を決算月に未払計上し、翌月に支給する場合、決算賞与に係る社会保険料の支払債務が確定するのは決算月の翌月末日ですので、決算月に社会保険料の未払計上はできないということになります。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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