確定申告が期限内に間に合わなかったら?期限後申告のデメリット

ポイント:期限後申告となった場合、青色申告特別控除額が65万円から10万円に減額されるほか、無申告加算税や延滞税といったペナルティーが課される場合も。


こんにちは。税理士の関田です。

先週末で確定申告期間が終了しました。

確定申告書の提出は申告期限内に完了しているのがもちろん理想ではありますが、様々な理由により期限に間に合わない場合もあるかと思います。

今回は、申告期限を過ぎてから確定申告書を提出した場合(いわゆる「期限後申告」になった場合)のデメリットについて解説します。

期限内申告と認められるためには

その前にまず、「期限内申告」と認められるための要件について整理しておきます。

 窓口提出の場合

税務署の窓口へ直接持っていく場合には、申告期限日の17時までに提出しなければなりません。

郵送の場合

郵送により提出する場合には、申告期限日の通信日付印(消印)があれば期限内申告となります。

郵便局のゆうゆう窓口から郵送する場合、23時59分までに持ち込めばセーフですが、もし24時をちょっと過ぎたとしても、窓口の局員さんに頼み込めば前日の日付印を押してくれるかも…(?)

ちなみに、宅配便で送ると税務署への”到着日”が提出日として扱われますので、ギリギリの場合は絶対に避けましょう。

電子申告の場合

e-Taxで電子申告する場合にも、申告期限日の23時59分までに送信すれば期限内申告となります。

PCやネット回線のトラブル等で間に合わなかったとしても、基本的には考慮されませんのであしからず。

税務署の夜間ポストへ投函する場合

23時59分までに提出が間に合わなかったとしても、諦めるのはまだ早いです。

税務署には時間外収受箱(夜間ポスト)が設置されており、税務署職員が翌朝ポストを開けるまでに投函されていた申告書は前日に提出されたものとして期限内申告扱いとなります。

ところで、今年のように申告期限日の翌日が土曜日の場合、税務署職員は休日出勤してポストを開けるんでしょうか…(開けるんでしょうね、きっと)。

期限後申告のデメリット

万が一、確定申告書を3月15日(土日の場合は翌月曜日)までに提出できず期限後申告となってしまった場合、以下のようなデメリットが生じます。

65万円の青色申告特別控除が受けられない

事業所得や不動産所得(事業的規模)がある青色申告者で、複式簿記による帳簿をつけて貸借対照表を作成している場合には「65万円」の青色申告特別控除を受けることができます。

しかしながら、期限後申告となった場合には「65万円」の控除は適用されず、たとえ貸借対照表を添付したとしても控除額が「10万円」に減額されてしまいます。

無申告加算税がかかる

期限後申告の場合、無申告加算税というペナルティーが課される可能性があります(原則として納付税額に対し、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%)。

ただし、申告期限から1ヵ月以内に自主的に期限後申告を行うなど一定の要件を満たす場合には無申告加算税は不適用となり、また1ヵ月を経過した後でも、税務署から指摘される前の自主的な期限後申告であれば無申告加算税が5%に軽減されます。

延滞税がかかる

法定納期限までに税金を納めなかった場合、無申告加算税とは別に、延滞税というペナルティーも発生します。

  • 納期限の翌日から2月を経過する日まで  …  年2.6%(2018.1.1~2019.12.31までの期間)
  • 納期限の翌日から2月を経過した日以後  …  年8.9%(2018.1.1~2019.12.31までの期間)

納期限から2ヵ月を過ぎると延滞税が急増しますので、早めの納付をお勧めします。

計算が間に合わなくてもとりあえず期限内申告を

作成済みの申告書を出し忘れてしまった場合は仕方ありませんが、そもそも計算が期限内に終わりそうもないという場合は、一旦とりあえず大体の数字で期限内申告をしておくというのも手です。

特に、65万円の控除を受けられるかどうかは非常に大きいですので。

できれば所得を少し多めに見積もって高めの税金を支払っておき、後で「更正の請求」をして税金を還付してもらえば、延滞税などのペナルティーを負うことはありません(ただし、更正の請求は証拠書類の提出を求められるケースが多いのでちょっと面倒ですが…)。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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