2021年4月1日より税込み総額表示が義務化。違反した場合の罰則は?
ポイント:総額表示が義務付けられるのは一般消費者向けの価格表示のみ。違反しても罰則はないが、早めの対応が望ましい。
こんにちは。税理士の関田です。
2021年4月1日から、商品等の価格の税込表示(総額表示)が義務化されます。
もともとは総額表示の方が原則であり、先の消費増税による価格表示の混乱を防ぐために税抜価格表示も当面認められてきたわけですが、この暫定措置が3月末でようやく終了するのです。
消費者からすると、当然ながら総額表示の方がわかりやすくて良いですよね。
お会計の際の“なんとなく騙された感”がなくなりますし。
一方、事業者側からすると、これまでのように「税抜1,980円」といった価格表示で”割安感”を出す手段が使えないことになります。
4月以降、消費者の目を引くために同じ商品を「税込1,980円」に設定する(約9%の値下げを行う)事業者も出てくるだろうなと思っていたら、ユニクロ・GUは先行して3月12日から始めていたようですね。
総額表示の義務付けは一般消費者向けのみ
今回、総額表示が義務付けられるのは、あくまで対一般消費者ビジネス(B to C)だけです。
消費税法の条文を見てみましょう。
消費税法第63条(価格の表示)
事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。
上記のとおり、「専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合」は対象から除かれていますので、事業者間取引(B to B)については引き続き税抜価格のみの表示も認められるということになります。
総額表示の方法
総額表示が義務付けられるとはいえ、税込価格と併記されていれば税抜価格の表示も認められます。
4月以降、税込価格だけを表示することで消費者から「値上げした?」と勘違いされることを心配し、税抜価格も併記したいという事業者の方も多いのではないでしょうか?
総額表示の具体例が国税庁HPに載っていますので、ご参考までに。
総額表示義務に違反した場合の罰則は?
では、2021年4月1日以降、一般消費者向けの価格表示を税抜価格のままにしてしまった場合はどうなるのか?
これに関しては、特に罰則規定は設けられていません。
とはいえ、あくまで違法は違法ですし、消費者からの信頼を損なうことにも繋がりますので、早めに対応しておきたいところです。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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