使わない手はないダイレクト納付。法人税や源泉所得税は口座引落に

ポイント:ネットバンキングを使っていなくても、銀行へ行かずに法人税や源泉所得税などを納めることができる。


こんにちは。税理士の関田です。

税金の支払いにあたり、個人の確定申告では「振替納税」による自動引き落としが広く利用されている一方、法人の場合は納付書を持ってわざわざ銀行窓口へ出向いている方も多いのが現状です。

実は、法人の税金でも自動引き落としにできる仕組みがあるのですが、なぜか今ひとつ普及していません(積極的に勧めない税理士の怠慢でもあるのですが)。

というわけで今回のテーマは、「ダイレクト納付」のすすめ。

ダイレクト納付とは?

ダイレクト納付とは、事前に銀行口座を登録しておくことで、e-Tax(国税)やeLTAX(地方税)による電子申告後に登録口座から税金を自動で引き落とすことができる電子納税方法です。

手続の際に即時に納付することもできますし、任意の期日を指定して納付することもできます。

なお、利用にあたっては、国税と地方税で別々の申込手続が必要となります。

⇒ 国税ダイレクト納付の利用開始手続

⇒ 地方税ダイレクト納付の利用開始手続

少々手間はかかりますが、顧問税理士がいればどちらも手配してくれるはずです。

手続きに不備がなければ、申し込みから1ヵ月程度で利用が可能となります。

ダイレクト納付のメリット

ダイレクト納付には、以下のようなメリットがあります。

金融機関へ行かずに済む

まず、納税のためにわざわざ銀行へ足を運ぶ必要がなくなります。

法人の場合、法人税・消費税で少なくとも年1回(予定納税がある場合はさらに)、源泉所得税で少なくとも年2回(納期の特例が使えない会社は毎月)の納付がありますので、これらを自動引き落としにできればかなりの省力になるはずです。

また個人事業主の場合、振替納税の手続きをしていれば申告所得税や消費税は自動で引き落とされますが、従業員や専従者に給与を支払っていれば源泉所得税の納付が必要ですので利用する価値はあるでしょう。

納付書の手書きによるミスがない

納付書が手書きの場合、書き損じたときに書き直しの手間がかかる(余分な納付書が手元にないと取り寄せが必要になることも)ほか、書き間違えに気づかず誤った税額を納付してしまう恐れがあります。

ダイレクト納付では電子申告したデータをもとに納付情報が作成されますので、手書き納付書の場合に生じうるリスクはありません。

ネットバンキングを使っていなくても利用できる

電子納税方法の一つとしてインターネットバンキングによる納付がありますが、こちらは当然ながらネットバンキングを利用していることが前提です。

一方、ダイレクト納付ではネットバンキングの契約は不要

「ネットバンキングは毎月料金がかかるから・・・」という会社でも、ダイレクト納付であれば無料で使えますのでご安心ください。

利用できない金融機関もある

ただし、ダイレクト納付を利用できない金融機関もあります。

⇒ 国税ダイレクト納付の利用可能金融機関

⇒ 地方税ダイレクト納付の利用可能金融機関

今のところ、ネット専業銀行やJA(農協)の口座は利用できませんのでご注意ください(※令和4年1月時点)。

まとめ

「納付書の作成・送付 → 到着・納付確認」という一連の手間が省けることから、税理士事務所にとってもメリットの大きいダイレクト納付。

弊所では、利用可能な金融機関口座がないお客様を除き、すべての法人・個人事業主(源泉納付あり)で利用しています。

もしも顧問税理士からいまだに手書きの納付書を渡されているようでしたら、こちらからダイレクト納付の利用を申し出てみましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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