社用車のタイヤ交換費用の経理処理。資本的支出か修繕費か
ポイント:通常のタイヤ交換は修繕費でOK。高性能タイヤへの交換は資本的支出に該当する可能性があり、4本合計で20万円以上であれば資産計上して減価償却を行う。
こんにちは。税理士の関田です。
車の維持には、何かとお金がかかります。
保険料、車検代、修理代、ガソリン代、駐車場代など…。
事業に車を使用している場合、これらの費用はすべて経費になりますが、高額なタイヤ交換費用を支払った場合には一括で経費にできないケースもあるため注意が必要です。
目次
摩耗による通常のタイヤ交換は「修繕費」
タイヤが摩耗したことにより同程度の性能のタイヤに交換した場合には、金額にかかわらず、全額を「修繕費」として経費処理できます。
性能が同じタイヤへの交換費用は車両の価値を増加させるものではなく、通常の維持管理費用と考えられるためです。
高性能タイヤへの交換は「資本的支出」
交換前のタイヤよりも明らかに性能の向上したタイヤへの交換(スチールホイールからアルミホイールへの交換など)については、「修繕費」ではなく「資本的支出」に該当するものと考えられます。
「資本的支出」とは、本体資産の価値を高めたり、本体資産の使用可能年数を延長させるような支出のことをいいます。
20万円以上であれば資産計上
「資本的支出」に該当する場合、交換費用が4本合計で20万円以上であれば資産計上を行い、車両本体と同じ耐用年数で減価償却することにより経費化していきます。
1本あたりの金額ではなく、4本セットで20万円以上かどうかを判定するのがポイントです。
なお、「資本的支出」は新たな資産の取得とは異なりますので、30万円未満の場合に全額経費処理できる『中小企業者等の少額減価償却資産の特例』は適用できません。
20万円未満であれば修繕費にできる
ただし、明らかに「資本的支出」に該当する場合でも、20万円未満であれば税務上は「修繕費」として処理することができます。
スタッドレスタイヤへの交換は資本的支出?
実務上判断に迷うケースとして、冬用のスタッドレスタイヤへの交換がありますが、ノーマルタイヤでは困難な雪道での走行が可能になるという意味では性能が向上しているといえることから、「資本的支出」に該当するものと考えられます。
ただし、通常のスタッドレスタイヤであれば4本合計で20万円以上になるケースは少ないため、「修繕費」として処理できるケースがほとんどかと思われます。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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