キャンセル料・違約金と消費税。課税される場合とされない場合

ポイント:キャンセルに伴う”事務手数料”的な性質であれば「課税」、逸失利益に対する”損害賠償金”的な性質であれば「不課税」となる。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

このところ、コロナウイルス禍により様々なイベントの中止が発表され、また外出の自粛ムードも漂っています。

事情が事情だけに、一部では「キャンセル料は取りません」「全額返金します」といった神対応もなされているようですが(業者側は大変でしょうけど)、もちろん通常どおりのキャンセル料(違約金)を支払って諦めるケースも少なくないでしょう。

ところで、「キャンセル料」とひと口にってもその内容は様々なため、消費税がかかるケースもあれば、かからないケースもあります。

一般消費者の立場ではあまり気にならないかもしれませんが、事業者の場合には消費税の納税額に影響することになりますので、その区分は非常に重要です。

消費税がかかるキャンセル料とは

キャンセル料が、キャンセルに伴う事務手数料としての性質を有している場合、「キャンセル手続き」という役務の提供に対する対価と考えますので、消費税の課税対象となります。

消費税がかからないキャンセル料とは

キャンセル料が、キャンセルに伴う逸失利益(本来は得られるはずだった儲け)に対する損害賠償金としての性質を有している場合、役務の提供に対する対価ではありませんので、消費税の課税対象外(不課税)となります。

ほとんどのキャンセル料は消費税の対象外?

キャンセル料に対する消費税の考え方は上記のとおりですが、現実的には、世の中で「キャンセル料」として徴収されている費用の多くは消費税がかからない類のものです。

具体例①:航空券

たとえば、航空券の予約をキャンセルした場合、多くの航空会社では「払戻手数料」と「取消手数料」が発生します。

このうち、「払戻手数料」は払い戻しの事務手続きに対する手数料ですので消費税が課税されますが、せいぜい数百円程度しか請求されません。

一方、「取消手数料」は運賃に対する一定割合もしくは一定金額が徴収されるのが一般的で、払戻手数料と比べると高額になります。

こちらは、取消”手数料”という名前はついているものの、実態は航空会社の逸失利益に対する補てん的な性質のものですので、消費税は不課税です。

つまり、航空券のキャンセル料の大半には消費税がかかりません。

具体例②:旅行ツアー・宿泊代金

旅行各社が企画するツアーでは、キャンセル日~出発日までの日数に応じ、旅行代金の一定割合がキャンセル料として徴収されるのが一般的です。

また、宿泊先のホテル・旅館を直接予約する場合でも、各予約サイトを見ればわかる通り、ほとんどの宿泊施設において宿泊代金の一定割合がキャンセル料として設定されており、宿泊日が近づくほどキャンセル料が上昇していきます。

これらのキャンセル料もやはり役務提供の対価とはいえません(実際に参加・宿泊しているわけではありません)ので、消費税は不課税となります。

事務手数料と損害賠償金を区分できない場合は?

ところで、なかには”事務手数料”的な部分と”損害賠償金”的な部分を一括して「キャンセル料」として徴収するケースもあります。

このような場合、その内訳が明らかであればそれぞれ課税/不課税として処理しますが、区分せずに徴収している場合にはその全額を「不課税」として処理することとされています。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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