持続化給付金の会計処理方法。収入計上時期・勘定科目・消費税区分

ポイント:基本的には入金時に「雑収入」計上で問題ないが、申請後、決算(年末)をまたいで入金された場合は計上のタイミングに注意。なお、消費税はかからない。


こんにちは。税理士の関田です。

新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業・個人事業主を支援する「持続化給付金」の申請受付開始からちょうど1ヵ月が経ちました。

5月上旬に申請された方々の大半は、特に書類の不備等がない限り、既に給付金が口座へ振り込まれているかと思います。

さて、持続化給付金は税務上、残念ながら課税対象の収入となります(ただし赤字の場合には結果的に課税されません)が、経理上はどのように処理すべきでしょうか?

持続化給付金の収入計上時期

まず、持続化給付金を収入計上するタイミングですが、原則的には「支給決定の通知を受けた日」となります。

持続化給付金の支給が決定した事業者に対しては、事務局より『持続化給付金の振込みのお知らせ』が発送されますので、この通知はがきが到着した日に通知を受けたものとして収入計上します(あくまで原則は、です)。

ただし、通知はがきの到着よりも前に給付金が振り込まれるケースもあり(現状では、口座入金を確認して初めて給付金の支給決定を知る、という方が多いようです)、このような場合には入金された日に収入計上することになります。

なお、実務上は、いわゆる ”期ズレ” を防ぐ観点から、申請日と入金日が決算(年末)をまたぐ場合だけ注意し、それ以外の場合は入金日に収入計上しておけば問題ありません。

以上をまとめると、このような感じです↓

① 申請日と入金日が同じ期(年)内の場合

⇒ 入金日に収入計上(入金前に通知はがきが届いたら、はがき到着日でもOK)

② 申請日と入金日が期(年)をまたぐ場合

(a) 通知はがきが期末(年末)までに到着

⇒ 通知はがき到着日に収入計上

(b) 通知はがきが翌期(翌年)に到着

⇒ 入金日に収入計上(入金前に通知はがきが届いたら、はがき到着日でもOK)

ちなみに、通知はがきには特に支給決定日や通知日の記載は無いようですが…。

持続化給付金の勘定科目

次に、持続化給付金の勘定科目ですが、法人・個人事業主ともに「雑収入」で処理しておけばよいでしょう。

法人の場合、損益計算書上は ”営業外収益” に表示します。

一方、個人事業主の場合、事業所得の青色申告決算書上は ”売上(収入)金額” の中に含まれます。

持続化給付金の消費税区分

なお、持続化給付金には消費税がかかりません。

経理処理上、税区分は「対象外」に設定しましょう。

まとめ

持続化給付金は申請から2週間程度で支給決定・入金されます。

ということは、もしも決算月の中旬(個人事業主の場合は12月中旬)に申請を行った場合、決定通知・入金のタイミング次第では収入計上年度が異なることになるわけです。

給付金額は法人の場合で最大200万円、個人事業主でも最大100万円と、損益・納税額に及ぼす影響は少なくありませんので、決算間際のタイミングでの申請は慎重に行う必要があるでしょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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