不動産賃貸の付随収入と消費税。電柱敷地料、線下補償料、売電収入…

ポイント:電柱敷地料・線下補償料については、消費税は非課税。売電収入・自販機手数料・アンテナ設置料・光回線装置電気料は課税売上だが、簡易課税の事業区分に注意。


こんにちは。税理士の関田です。

アパート・マンションや駐車場などの賃貸を行っていると、賃借人以外からも付随的な収入を得ることがあります。

消費税の課税事業者の場合には、付随収入についても消費税の課税・非課税をきちんと分けなければなりません(免税事業者であっても、基準期間の正しい課税売上高を把握するためには必要な場合も)。

今回は、不動産賃貸に伴い発生する代表的な付随収入の消費税上の取扱いについて整理しておきます。

電柱敷地料

アパート・マンションや駐車場の敷地内に電柱を立てさせていることにより電力会社や電話会社から受け取る電柱敷地料については、土地の使用料に該当するため消費税の非課税売上となります。

線下補償料

土地の上空に送電線(高圧線)が通っている場合、電力会社から上空使用料として線下補償料が支払われます。

この線下補償料についても土地の使用料と考えますので、消費税の非課税売上となります。

売電収入

アパートやマンションの屋上に太陽光発電設備を設置しており、余剰電力を電力会社に買い取ってもらっている場合、この売電収入は消費税の課税売上となります。

なお、消費税の課税事業者で簡易課税を選択している場合、自家発電した余剰電力の売却は『電気業』に該当するため「第3種事業」に分類されます。

自動販売機の手数料

アパート・マンションや駐車場の敷地内に自動販売機を設置させ、ベンダーから売上に応じた手数料を受け取っている場合、この手数料収入は消費税の課税売上となります。

なお、消費税の課税事業者で簡易課税を選択している場合、自販機の手数料は『サービス業』に該当するため「第5種事業」に分類されます。

基地局アンテナの設置料

マンションの屋上に携帯電話基地局のアンテナを設置させ、携帯電話会社から設置料を受け取っている場合、この設置料収入は消費税の課税売上となります。

なお、消費税の課税事業者で簡易課税を選択している場合、設置料は建物の一部を貸していることによる収入ですので、『不動産業』として「第6種事業」に分類されます。

光回線設備の電気使用料

アパートやマンションに光回線を導入している場合、共用部に通信会社の設備(NTTのVDSL集合装置など)を設置することがあります。

この場合、その設備が使用する電気料金に相当する金額が通信会社からオーナーに支払われます(「Bフレッツ電気代」など)が、この電気使用料は消費税の課税売上となります。

なお、消費税の課税事業者で簡易課税を選択している場合、電力会社から購入した電気をそのまま通信会社へ供給していることから、『卸売業』として「第1種事業」に分類されるものと考えられます。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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