小規模企業共済に加入中の個人事業主の法人成り。契約継続は可能?

ポイント:法人成り後も役員として加入資格を満たしている場合には、所定の手続きを行うことにより共済契約を継続することが可能(同一人通算)。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

個人事業主・フリーランスとしてある程度所得が増えてきた段階で、まず最初に考える節税策の一つが小規模企業共済への加入。

掛金の全額が所得控除の対象になるのが魅力です。

そして、その後も順調に所得が増えてきたら、いよいよ法人化(法人成り)を検討することになります。

さて、個人事業を法人化させる場合、加入中の小規模企業共済はどうなるのでしょうか?

以下、2011年(平成23年)1月以降に加入した前提でお話を進めます(それ以前に加入されている場合には一部取扱いが異なりますのでご留意ください)。

法人成り後の小規模企業共済・3つのパターン

個人事業主が法人成りする際、契約中の小規模企業共済については次の3つの道のうちいずれかを辿ることになります。

  1. 法人成り後は加入資格がなくなるため解約
  2. 法人成り後も加入資格はあるものの解約
  3. 法人成り後も継続

小規模企業共済は「個人事業主」だけでなく「小規模な法人の役員」でも加入資格があります。

このため、法人成り後も加入資格を満たす場合には契約の継続(3.)もしくは解約(2.)のいずれかを選択することができますが、そもそも加入資格を失ってしまった場合にはやむなく解約(1.)となります。

以下、それぞれのケースについて、もう少し詳しく解説していきます。

法人成り後は加入資格がなくなり解約した場合

以下のようなケースでは、法人成り後は加入資格がなくなることになります。

  • 設立した会社の役員に就任しなかった
  • 役員には就任したが、会社が小規模事業者に該当していない

この場合、”準共済事由”に該当し「準共済金」が支払われることになります。

「準共済金」として受け取れる金額は掛金総額と同額であり、元本割れすることはありません(ただし、12ヵ月未満の場合は掛け捨て)。

なお、「準共済金」は税務上、退職所得として取り扱われます。

法人成り後も加入資格はあるものの解約した場合

法人成り後も加入資格はなくならないものの解約をした場合、文字どおり”解約事由”に該当し「解約手当金」が支払われます。

「解約手当金」として受け取れる金額は掛金の納付月数に応じて、掛金総額の80%~120%相当額とされていますが、240ヵ月(20年)未満の場合は元本割れしてしまいます(ただし、12ヵ月未満の場合は掛け捨て)。

なお、法人成りに伴う「解約手当金」は税務上、退職所得として取り扱われます(ちなみに、65歳未満で通常の任意解約をした場合の「解約手当金」は一時所得扱い)。

法人成り後も契約を継続する場合

法人成り後も加入資格がある場合、個人事業主時代の掛金納付月数を通算して共済契約を継続することが可能です。

これを「同一人通算」といいます。

「同一人通算」の手続きは、法人成り後1年以内に行う必要がありますので気を付けましょう。

手続きの詳細は以下のページでご確認ください。

⇒ 中小機構HP 『共済契約の引継ぎ:事業を法人化(株式会社化など)する場合』

まとめ

加入期間が短い場合には解約手当金の元本割れの問題があるため、加入資格がなくならない限りは契約を継続することが望ましいでしょう。

特に、加入後1年未満で法人成りする場合は、「同一人通算」手続きを行わないと全額掛け捨てになってしまいますので注意しましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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