不動産賃貸業と町内会費・自治会費。経理処理の方法は?
ポイント:オーナー負担の町内会費は支払時にそのまま経費へ。入居者から徴収して町内会へ支払う場合は「預り金」の増減として処理。
こんにちは。税理士の関田です。
地域住民同士の結びつきが希薄になりつつある昨今、町内会・自治会に入会しない人も増えてきているようです。
特に集合住宅ではその傾向が顕著ですが、賃貸アパート・マンションの場合はオーナーが入居者に代わって町内会費を支払うケースも少なくありません。
今回は、不動産賃貸業を営んでいるオーナーが支払う町内会費の会計処理方法についてのお話です。
オーナーが町内会費を負担する場合
各入居者から町内会費を徴収せず、オーナーが各部屋分の町内会費を負担する場合、オーナーは不動産所得の計算上、支払った町内会費を経費にすることが可能です。
経理上は、「諸会費」や「雑費(その他の経費)」などの科目で処理すると良いでしょう。
入居者から町内会費を徴収する場合
一方、各入居者から毎月家賃とともに町内会費を徴収するケースもあります。
この場合、徴収した町内会費はオーナーが入居者から一時的に預かっているにすぎませんので「預り金」として処理します。
その後、預かった町内会費を町内会へ支払ったときに「預り金」のマイナスとすることで、帳簿上の「預り金」残高はゼロとなります。
<徴収時>
(借) 現預金 ×××円 (貸) 預り金 ×××円
<支払時>
(借) 預り金 ×××円 (貸) 現預金 ×××円
上記仕訳があくまで原則的な処理方法ですが、
- 徴収時は経費のマイナスで処理し、支払い時は経費計上する
- 徴収時は収入計上(消費税は不課税)し、支払時は経費計上する
という方法でも結論(=損益)は同じになりますので、特に問題は生じないでしょう。
もっとも、徴収額と支払額が一致せず「預り金」に差額が生じてしまうケースも少なくないため、実務上はむしろ例外処理の方が楽、といえるかもしれません。
※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。
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