不動産売買契約の手付解除と税金。不動産賃貸業を営む個人の場合

ポイント:先方都合により受領した解約手付等は一時所得の収入金額となる。仲介手数料など売買契約に付随する費用は一時所得の計算上、収入金額から控除できる。


こんにちは、川越市の税理士・関田です。

不動産売買契約においては通常、契約時に手付金の授受が行われ、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は支払った手付金を放棄(手付流し)することにより、また売主は手付金の倍額を返還(手付倍返し)することにより、契約を解除することができます。

放棄した手付金や倍返しした手付金のうち半分は違約金ともいえますが、これらを受け取った場合又は支払った場合、税務上どのように取り扱われるのでしょうか?

不動産賃貸経営を営む個人が賃貸用不動産を売買する場合の取扱いを解説します。

売主側の取り扱い

手付流れを受け取った場合

買主都合により解約となり、支払われた手付金をそのまま受領した場合、受け取った手付金は一時所得の収入金額となります。

手付金を倍返しした場合

売主都合により解約となり、支払われた手付金を返還し、さらに同額を違約金として買主へ支払った場合、支払った違約金は不動産所得の必要経費となります。

ただし、先の契約よりも有利な条件で他者に譲渡するための解約だった場合、支払った違約金は後の買主へ譲渡した際の譲渡所得の譲渡費用となります。

買主側の取り扱い

手付金を放棄した場合

買主都合により解約となり、支払った手付金を没収された場合、没収された手付金は不動産所得の必要経費となります。

なお、先の物件よりも条件の良い物件を購入するための解約だった場合、没収された手付金は原則として後に購入した物件の取得価額に算入しますが、不動産所得の必要経費にすることも可能です。

手付倍返しを受けた場合

売主都合により解約となり、支払った手付金が返還され、さらに同額を違約金として売主から受け取った場合、受け取った違約金は一時所得の収入金額となります。

一時所得の収入から差し引ける経費は?

先方都合により手付流れを受領した場合又は手付倍返しを受領した場合、上記の通り、いずれも一時所得の収入金額になります。

さて、一時所得の金額は、

「 収入金額 - その収入を得るために支出した金額(経費)- 50万円(特別控除)」

で計算し、さらにこれを2分の1した金額が課税対象となるわけですが収入から差し引ける経費としては、売買契約に関連して支払った費用が該当します。

具体的には、

・売買契約書に貼付した収入印紙代

・売買契約にあたり支払った仲介手数料

などがこれに当たります。

誤って不動産所得の必要経費にしないよう、くれぐれも注意しましょう。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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