2019年4月から源泉徴収票は確定申告書へ添付不要。過年度の申告は?


ポイント:2019年4月1日以降に書面提出する確定申告書については源泉徴収票等の添付が不要となる。平成30年分以前の申告書であっても、同日以降に提出する場合は不要。


こんにちは。税理士の関田です。

平成31年度税制改正により、書面提出の確定申告書等について、源泉徴収票など一部の書類の添付が不要とされました。

「いつの分の申告書から不要になるのか」「過年度分の申告書はどうなるのか」など、留意点をまとめました。

添付不要となる書類

給与や年金の源泉徴収票など全8種類

改正により添付が不要となるのは以下の書類です。

  1. 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
  2. オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書
  3. 配当等とみなされる金額の支払通知書
  4. 上場株式配当等の支払通知書
  5. 特定口座年間取引報告書
  6. 未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
  7. 特定割引債の償還金の支払通知書
  8. 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例における相続税額等を記載した書類

給与所得の源泉徴収票の「原本」「コピー」問題が解決?

今回の改正で一番大きな影響があるのは、源泉徴収票が添付不要となることでしょう。

なかでも、給与所得の源泉徴収票については、近年は大企業を中心に電子交付(会社独自のシステムからのプリントアウト、メール添付など)が増えてきており、確定申告の現場ではちょっとした問題が起きていました。

というのも、確定申告書に添付する源泉徴収票は「原本」でなくてはならず、上記のような電子交付された源泉徴収票を印刷したものは「原本」ではないため、添付書類としては厳密にはアウトだったのです。

たとえ電子交付されていたとしても、あくまで「会社から改めて書面交付してもらった源泉徴収票を添付せよ」というのが建前だったわけですが、現実的にはプリントした源泉徴収票でも受け付けてもらえるケースも無くはなかったようです。

改正後は、このような問題はひとまずなくなります。

ちなみに、電子申告を行う場合には、従来より源泉徴収票等の添付は不要です。

いつの年分から添付不要となるのか?

2019年4月1日以降に提出する確定申告書等から

源泉徴収票等の添付が不要となるのは、平成31年(2019年)4月1日以降に提出する確定申告書等からです。

”確定申告書等”には期限内申告書のほか、期限後申告書修正申告書も含まれます。

平成30年分以前の申告書でも添付不要

基本的には令和元年分の確定申告書から添付不要となりますが、平成30年分以前の申告書であっても、平成31年4月1日以降に提出する場合には添付不要です。

たとえば、平成30年分について今から還付申告(期限後申告)を行う場合でも、源泉徴収票等を添付する必要はないということです。

添付が必要となる場合も

申告済みの税額が過大だったため更正の請求を行う場合には、改正後でも源泉徴収票等の添付を求められるケースがあります。

更正の請求については、請求をするに至った理由を説明するための根拠資料を添付しなければならないためです。

たとえば、給与所得の源泉徴収票の金額の転記ミスにより税金を納め過ぎていた場合には、正しい金額を証明するための書類として源泉徴収票を更正の請求書に添付することになります。


※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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